2025夏@北飯豊・頼母木TIME[1]

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at 5:15 a.m. on August 22, 2025@新潟県胎内市下荒沢:奥胎内ヒュッテ駐車場



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準備ができたら、まずは登山口まで林道を1時間ほどスタスタ。
 ◇◇◇
てなワケで、2025年夏の陣・第2弾として訪れたのは、念願の飯豊(いいで)連峰(…の一角)。
どのくらい念願かというと、2016年夏のエントリに購入間もない山と高原地図が写っているので、
その時点で行く気満々だったはずですが、悪天に遮られたり、あまりの猛暑に怖じ気づいたりと、
毎度計画倒れで、結局9年もの歳月を経過して、ようやく足を運ぶこととなった次第であります。

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で、以前はほぼ全山テン泊縦走計画なんかも立てましたが、体力や日程を考慮して今回は断念。
 ◇◇◇
んでどうするかと考えたとき、百名山狙いではない僕にとり、最優先事項は飯豊本山登頂ではなく、
以前、なんかのTVで目にした、豊富で冷たい水を引いている頼母木(たもぎ)小屋でのテン泊でして、
いかにして頼母木TIMEを満喫するかを最優先に、今回の計画を練ることに。
 ◇◇◇
その結果、初日は足の松尾根をひたすら登り、頼母木小屋でテン泊。
2日目はテントを張ったまま、今年の西暦と標高が同じと某サイトで教わった北股岳まで往復。
3日目は朳差(えぶりさし)岳まで足を延ばしてから、その日のうちに下山せずに、あえてもう1泊。
4日目はテントを撤収し、BAN-BAN号が待つ奥胎内ヒュッテまで下山することとしました。
[MAP COPYRIGHT:2016年版の山と高原地図/画像をクリックするとたぶん大きくなります]

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と、そうこうしていると登山口に到着です。
ちなみに出発時点での妻のザックの重量は約17kg、僕は25kg超でした。

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歩き始めてほどなく、飯豊名物・急登のお出ましです。

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張り出した根を乗り越えるようにグイグイ。

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心して臨みましたが、いきなりエグイエグイ。

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もぉどーなってんのってカンジです(これでも他のルートより傾斜が緩いとか)。

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標高800m前後の露岩帯ではアップダウンが続き、なかなか標高を稼げません。

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荷物の重さに体が振り回されぬよう、慎重にクリアしていきます。

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とまあ、急傾斜にめげないよう登り続けましたが、次第にとんでもない暑さも加わり、
全身のありとあらゆる汗腺から噴き出す汗の量が、尋常ではなくなってきました…。

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とりわけ顔から噴き出す汗の量は今まで経験したことがないほどで、
「コレはあぶないゾ」と体温を下げるため、こまめにザックを下ろして休憩することに。
 ◇◇◇
しかし、5~10分程度の休憩では表面的には体温が下がっても、深部体温は下がらないのか、
歩き始めるとすぐさま猛烈に汗が噴き出し、あっという間に危険ゾーンへ突入する繰り返しに。
当然ながら僕自身の体力も歩くごとに削られ、熱中症や脱水症状への懸念が現実的にチラホラ。

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急登+重荷+寝不足+猛暑(+加齢)の悪条件に苦しみましたが、どうにかこうにか耐え抜き、
目指す頼母木小屋(正式には頼母木山避難小屋)を見通す西ノ峰に、やっとのことでたどり着きました。

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ようやく傾斜が緩み、ここまで来れば主稜線との合流ポイントである大石山もすぐそこです。

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…なのですが、発汗は一向に衰えず、体が異様に火照って全然前へ進めません。
僕は一般の方より心拍数が少ないので、ふだんは少し休むと呼吸が楽になるのですが、
今回ばかりはそうもいかず、休んでも呼吸がずっと荒いままなのも気がかりでした。

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それでもなんとか登り続け、フラフラになりながら大石山の分岐に到着です。

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で、分岐に着くや否や、ザックを放り出し、そのままゴロン(行き倒れ?)
 ◇◇◇
ほぼ熱中症&意識障害寸前だったのを自覚しながら、だましだまし登り続け、
ようやく主稜線に乗った安堵感からか、急に眠気が襲ってきました。

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しばらく休んでから頼母木小屋を目指しましたが、体は依然として重いままでして…。

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楽観していた到着予定時刻より、かなり遅くなってしまいましたが、小屋はもう目の前です。

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そんなこんなで苦労しまくりましたが、夢にまで見た「飯豊のオアシス」と念願のご対面です。

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先客は小屋泊のおじさん数名だけで、テン泊は一番乗り(結局、この日は我々のみ)だったので、
小屋番さんに「テントを張るのに一番いい場所はどこでしょうか」と尋ね、
教えてもらった水場脇のフラットでフカフカなエリアにヌプカ2を張ることにしました。

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で、いかにも人のよさそうな小屋番さんに、
「テントの受付は後回しで、まずは頼母木水で冷えたビールをください」と伝えながら、
2缶分の代金を渡すと、「どうぞどうぞ、小屋も自由に使っていいですよ」と笑っておりました。
(スーパードライでなければなおヨシでしたが、この際そんなことは構っていられません)
 ◇◇◇
ちなみに、至福の缶ビーをグビグビしている僕を見ていた妻は、
「さっきまであんなにグッタリしていたのに、よく飲む元気があるなぁ」と呆れていたそう。
ま、僕からすると、小屋でのグビグビが心の支えだったので、外すワケにはいきません。

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ひと息ついたので、昨夏の雷鳥沢以来となるヌプカ2を張っていきましょう。

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購入してから10年以上経ったこともあり、少々くたびれてきたヌプカ2を前に妻は、
「今どきのテントに比べて嵩張るし、そろそろ買い替えたら」と何度か口にしていましたが、
あちこちの山歩きで労苦を共にした思いやら、背負ってきた当人ならではの愛着があるので、
マウンテンダックスは潰れちゃいましたが、まだまだしぶとく使い続けるつもりですよー。

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水場では、担ぎ上げた私物も冷やせるとのことなので、我々も片隅にドブン!

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気づけば稜線に垂れ込めていた雲も消え、2022年秋に僕だけ縦走した朝日連峰も見えてきました。

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コチラは3日目に歩く予定の鉾立峰から朳差岳へと続く稜線で、朳差小屋もポツンと見えています。

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さ、そろそろ夕飯の準備でもしましょうかね。

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まずは水場で冷やしておいた白ワインをチビチビ。

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今回、いつもは食事メニュー担当の妻が、大学院の夏季講座に出発前日まで出席していたため、
凝った献立を考える余裕がなく、お湯で温める食事が多くなってしまいましたが、ま、仕方ない。

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片や、拙担当のアルコールや酒肴の乾き物は、まあまあの充実ぶりでして、
TOAKSのスキットルには、目いっぱいシングルモルトを詰め込んであります

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寒くなり始めたベンチに腰かけ、チビチビ飲んでいると、佐渡島の先に夕日が沈みかけていました。

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日没を待ち、引き続きテント内で芋焼酎のお湯割りでも啜るとしましょうかね。

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飯豊の洗礼をガッツリ受け、一時はどうなるかと気を揉んだ初日ですが、
こうして無事に夜を迎えることができ、安堵しながら床に就きました。
by nandakadays | 2025-08-31 00:00 | TREKKING | Comments(0)
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